早朝にオンライン英会話レッスンを受ける事を希望されている方は多いです。
朝活という言葉も使われるようになり、英会話以外でも朝の時間を有効活用される方は多いですよね。
ここでは、早朝にオンライン英会話を受けるメリットと、アイゼルの生徒様で早朝にオンライン英会話を受けていらっしゃる事例から、参考になる点、注意点をご紹介します:
1. 早朝オンライン英会話のメリット
ここでは早朝オンライン英会話の3つのメリットについて解説します。
1-1. 脳科学的な視点
脳科学者の茂木健一郎氏は、以下のように朝の時間を「脳のゴールデンタイム」と解説しています:
私たちは日中の活動を通して、目や耳からさまざまな情報を得ています。その情報は大脳辺縁系の一部である海馬に集められ、短期記憶として一時的に保管されます。その後に、大脳皮質の側頭連合野に運ばれますが、この段階では記憶は蓄積されているだけです。
それが睡眠をとることで、記憶が整理され長期記憶へと変わります。すると朝の脳は前日の記憶がリセットされるため、新しい記憶を収納したり、創造性を発揮することに適した状態になります。この脳の仕組みが、朝の時間がゴールデンタイムだと言われる理由です。引用:茂木健一郎「朝の3時間」は、最速で仕事がはかどるゴールデンタイム THE 21 ONLINE 2016年12月29日
このように、早朝のオンライン英会話レッスンでのスキルアップは脳科学的にも理にかなっているという事が分かります。
また、東京大学の深田吉孝教授の研究チームは、マウスに積み木の形を覚えさせる実験を通して記憶力についての面白い研究結果を発表しています。この実験では、夜行性のマウスは活動を始める夜の時間帯に積み木を覚えられる割合が高い事が分かりました。このマウスの脳を調べると、記憶に関わるたんぱく質が体内時計の活動時間帯である夜の時間帯に増えており、ここから昼行性の人間の場合は、体内時計の活動時間帯が始まる朝の時間帯に学習する事が効率の良い記憶、学習につながる可能性があるとコメントしています。
(参照:Yoshitaka Fukada. SCOP/PHLPP1β mediates circadian regulation of long-term recognition memory. nature communications. 30 September 2016)
忙しい現代人にとっては、英会話学習の時間を確保するという事は、同時に何か他のものを犠牲にしているという事も多々あります。だからこそ多くの方が英会話学習で「効率性」を重視するわけですが、その際、「何をやるか」「どれ位の時間やるか」「どこでやるか」という事だけでなく、上記のような脳科学的なアプローチも意識する事で、より高い学習効果を得られるはずです。
1-2. 安定して確保できる時間帯
早朝にオンライン英会話を受けるメリットとして意外と見落とされている点として、早朝の時間帯は、他の事に邪魔されず自分がコントロールできる時間帯だという事があります。
日中や夕方、夜になると、仕事の電話やメール、友人からの連絡、家族との時間等色々なやる事が出てきます。そして、その隙間時間を狙っても、前の予定が長引いたり、後の予定の為に新しく準備が必要な事が突発的に起こったり、交通機関が遅延したり、急な連絡が入ってきたり、、と色々あるものです。それに合わせて予約していたオンライン英会話レッスンを急遽キャンセルするという事が起こり得ますよね。
「時々キャンセルする程度なら大丈夫」という考えを持っている方は、キャンセルしたレッスンの時間だけがマイナスになっていると思われるかもしれませんが、マイナスになっているのは実はそこだけではありません。
オンライン英会話を受けた直後というのは、新しい事を学んだり、レッスンの中での気づきについて自分で調べてみようと思ったり、また自分のスキルの低さを目の当たりにしたりして、自分の英語力、英語学習について真剣に考える瞬間が生まれます。それがその日、又はその後数日の英語の自己学習の高いモチベーションを生んでくれます。
つまり、オンライン英会話レッスンを受ける事で、レッスン後のその日、又は次のレッスンまでの数日の自己学習の効果も高めてくれるという事になります。1回のレッスンを休むだけでこれら数日の効果を失うと考えると、「時々キャンセルする」方は、数年単位で考えると、とても多くの時間の学習効果を失っていらっしゃる事になります。
こういった理由から、「時々キャンセルする程度なら大丈夫」ではなく、「絶対に決めた予定で毎回しっかりと英会話を受ける」という姿勢で挑む為には、邪魔の入る可能性の少ない早朝のオンライン英会話はオススメです。
1-3. 集中できる周りの環境
早朝の時間帯は、家の中、オフィスビルの中だけでなく、外の道路も車の数が少なく、とにかく静かで、集中できる環境です。
また、これは上記の「安定して確保できる時間帯」にもつながる部分ではありますが、仕事の連絡が来る可能性がゼロ、家族に邪魔される可能性がゼロ、突発的な予定が入る可能性がゼロ、という事が確定している時間帯というのは、心理的に英会話への集中力を高められます。例えば、「家族から何か連絡が来るかもしれない」「仕事の電話がかかってくるかもしれない」「SNSでコメントがついたかもしれない」等の状況があると、例え実際にはそれが起こらなかったとしても、無意識に脳はそちらへの意識に多少メモリーを奪われるものです。
シカゴ大学の研究グループの研究結果によると、スマホを使っていなくても、近くにスマホがあるだけで人はSNSに連絡が来ていないか等を考え集中力、判断力が減退するようですが(参照: Adrian F. Ward, Kristen Duke, Ayelet Gneezy, Maarten W. Bos. Brain Drain: The Mere Presence of One’s Own Smartphone Reduces Available Cognitive Capacity. Journal of the Association for Consumer Research, 2017; 2 (2): 140 DOI: 10.1086/691462)、多くの人がまだ活動を始めていない早朝の時間帯であれば、日中よりもスマホに集中力は奪われにくいはずです。
「今は他の事に邪魔される可能性はない」と頭の中で感じられている状態は、1つの事への集中力をとても高めてくれ、結果的に早朝のオンライン英会話の学習効果を高めてくれます。
2. アイゼルの生徒様事例
アイゼルの生徒様で早朝オンラインレッスンを受講されている方、辞められた方の事例から、参考になる情報をご紹介します。
2-1. 参考になる点
アイゼルの生徒様の中には、早朝に起きてジョギングに出かけ、その後に早朝オンライン英会話レッスンを受けていらっしゃる方がいます。これらの方々がおっしゃるには、ジョギングする事で頭がクリアになり、オンライン英会話レッスンの学習効果が更に高まるという事でした。
この事実を裏付けるものとして、2020年に発表されたスウェーデン・ヨンショーピング大学の研究チームの結果によると、2分~1時間の有酸素運動を行うと、その後最大2時間にわたり学習能力や記憶力が向上する事が分かりました(参照:Peter Blomstrand. Effects of a single exercise workout on memory and learning functions in young adults—A systematic review. TRANSLATIONAL SPORTS MEDICINE. 08 August 2020)。他にも運動と学習効果のポジティブな関係についての研究結果は多くあります。
このように早朝に有酸素運動をしてからオンライン英会話を受ける方は、早朝の学習効果だけでなく、その前の有酸素運動による学習効果も重なり、より良い学習環境を得ていらっしゃると考えられます。
また、有酸素運動をされていない方でも、早朝のオンライン英会話レッスン前に入浴やストレッチをされる事で、同じように頭がクリアになり学習効果が高まるという方もいらっしゃいます。
2-2. 注意点
早朝のオンライン英会話が続かない方のパターンとして、不規則な生活をされていたり、睡眠時間が慢性的に短いという事がよくあります。不規則な生活や睡眠時間が短い方の場合、早朝に起きてもまだ強い眠気が残っている事が多く、オンライン英会話レッスン中も眠気の為に集中力が続かなくなります。早朝に強い眠気がある状態で英会話レッスンを受ける事は、夜寝る直前のとても眠い時間にレッスンを受けるのと同じで、とても苦痛です。そして、苦痛だけでなく、集中できない為に学習効果が上がらず、成果を感じられず、徐々に早朝オンライン英会話レッスンを受けられなくなるというパターンに陥ります。
お仕事やご家族の事情、健康状態等は人それぞれで、早朝の時間帯に頭がクリアな状態を作る事がどうしても難しいという方もいらっしゃると思います。そのような方は、無理に早朝のオンライン英会話にこだわらず、ご自身の頭がクリアになる時間帯を選んで受講される事をオススメいたします。
英会話レッスンは受身では身につきません。本当に英会話の力をつけるには、自分から積極的に学ぶという姿勢が必要で、積極的に学ぶ姿勢があれば、自然とレッスンの中での先生の発言やレッスン内容について疑問や質問が出てくるはずで、それを先生に確認するというような双方向のレッスンになるはずです。早朝レッスンを受ける際、眠気が邪魔をしてそのような積極的な姿勢で学べないのであれば、成果が出ないのは当然です。