こんにちは!
本日は““I’ll keep my fingers crossed for you”という英語の表現方法をご紹介します。
1. “I’ll keep my fingers crossed for you”という英語表現
外国人の方が、人差し指と中指を交差して、“I’ll keep my fingers crossed for you”という英語表現をするのを見たり、聞いたりしたことはないでしょうか。
この“keep my fingers crossed”という英語表現は、「幸運を祈っているよ」という言葉の表現であり、それと同時に人差し指と中指を交差(cross)する仕草をします。“I’ll keep my fingers crossed”に“for you”を付け加えることにより、「あなたに幸運を祈っている」と訳せます。自分自身に「幸運を祈る」こともでき、その場合には“fingers crossed”と言いながら、人差し指と中指を交差します。自分自身や相手に「幸運を願う」ための一種のおまじないなのです。
例えば、「今度の試合で勝てますように」と「幸運を祈る」場面では、“I’m keeping my fingers crossed that we’ll win this game”と言いつつ、人差し指と中指を交差する仕草をします。又は、「あなたが試験の合否で良い結果が得られますように」と願う場合には、“I’ll keep my fingers crossed that you will pass this exam”といいながら、指を交差します。
ポイントとなるのは、この“fingers crossed”という英語表現とともに、人差し指と中指を交差(cross)する仕草を同時に行うことです。もしくは、“fingers crossed”と言った直後にこの指を交差する仕草をすることです。又、通常は話し手の片手でこの指を交差する仕草を行いますが、何か特別に願いを叶えたかったり、いつもより更に強い運を期待したいときは片手だけではなく、両手で人差し指と中指を交差する仕草をすることもあります。
何故このようなおまじないのような仕草が広まったかは、はっきりとは分からなく、諸説紛々です。元々のこの指を交差する仕草は、魔除けの意味を持っているという説もあります。かつては、交差する場所に良い精霊が宿るとされて、自分の指を交差することにより、この交わった部分に良い精霊や魂を呼び寄せられると信じられていたこともあったそうです。
他の説では、キリスト教徒が迫害されていた時代に、キリスト教徒が命を狙われて、自分が「キリスト教を信仰していない」と嘘を言わなければならない状況になった時には、この指を交差する仕草をすると救われるという言い伝えがあったみたいです。本来ならば、聖書に“Thou shall not lie”という「汝は嘘をついてはならない」という「十戒」の神との約束事があるので、嘘をつくということは神様の教えに背くことになります。しかし、命を落とすかもしれない絶体絶命な状況に限って、この人差し指と中指を交差する仕草を背中ですると、異教徒であると嘘をついたとしても、「神のお許しを得られる」という説があったそうです。
2. 子供が背中で人差し指と中指を交差する仕草をする場合は要注意
子供の間でも、素直に誰かを応援したい時に、“good luck”と言いながら人差し指と中指を交差する仕草をする風習はあります。但し、子供が背中で隠れて人差し指と中指を交差する仕草をする場合は要注意です。
前述した、生死を伴うためにやむを得ずキリスト教徒が「神のお許しを得るために」密かに背中で行っていたこの人差し指と中指を交差する仕草は、悪知恵が働いてからか、いつしか背中でこの仕草をすれば「嘘をついても神様には罰せられない」「嘘をついても大丈夫」というように都合よく解釈されてしまうようになってしまいました。
特に、子供は親との約束を最初から背く予定で、背中でこの人差し指と中指を交差する仕草をする時があります。例えば、「もうゲームを今週はしません」と親と約束を交わしつつ、背中で人差し指と中指を交差する仕草をしていたら、「どうか神様、ゲームをやってしまっても、運がまわってきて、罰せられませんように」というように、このおまじないが都合よく悪用される事もあり得るのです。なので、背中で密かにこの人差し指と中指を交差する仕草をしている場合は、「約束事を破った時でも神様が許してくれて、嘘がばれませんように」というように意味を自分勝手に解釈されてしまう場合もあることを覚えておきましょう。
3. まとめ
単純明快に使われる「幸運を祈っているよ」という意味の“I’ll keep my fingers crossed for you”ですが、時と場合によっては少々違う意味で使われてしまうことを覚えといていただきたいです。
この人差し指と中指を交差する仕草を真正面で見れる位置で行っている場合は「幸運を祈っているよ」という意味で解釈して問題はないのですが、背後で密かにこの同じ仕草をしている場合は要注意なのです。特に、子供は「嘘をついても帳消しになる」というように都合の良いように解釈して使っているので、親からしてみれば、嘘をついているか否かの指標になるかもしれません。
いずれにしても、この人差し指と中指を交差する仕草はあくまでもおまじないに過ぎないのですが、広く英語圏では使われる仕草ではありますので、ご参考になさってください。
又、使用頻度としては、「幸運を祈っているよ」という建設的な意味で“I’ll keep my fingers crossed for you”を使用する方が多いので、誰かに幸運を願う時は、是非使ってみて下さい。